侍てんぽいんと上海へ行く~第3章 ODAと新天地2~ 2007年09月16日 わたしは厳寒を冒して、二千余里を隔て二十余年も別れていた故郷に帰って来た。時はもう冬の最中で故郷に近づくに従って天気は小闇くなり、身を切るような風が船室に吹き込んでびゅうびゅうと鳴る。苫の隙間から外を見ると、蒼黄いろい空の下にしめやかな荒村があちこちに横たわっていささかの活気もない。わたしはうら悲しき心の動きが抑え切れなくなった。おお!… 続きを読むread more
侍てんぽいんと上海へ行く~第3章 ODAと新天地1~ 2007年09月15日 朝、食堂でスウプを一さじ、すっと吸ってお母さまが、「あ」と幽かな叫び声をお挙げになった。 そんな貴族だか裸族だかわからんセレブとは程遠いていうより、人間ピラミッドの底辺にいるてんぽいんとちゃん。あわてて家を飛び出したため髪の毛はボサボサ、ひげは剃っていない、着ている服も10年ぐらい前に買ったもの...もうね中国で一番汚い日本人てか、ボ… 続きを読むread more
侍てんぽいんと上海へ行く~第2章 侍てんぽいんと上海に立つ~ 2007年09月13日 恥の多い生涯を送って来ました... てんぽいんとちゃん、このかた日本はおろか本州すら出たことがありません。 もちろん飛行機など乗ったことがありません。金属が空を飛ぶことなど到底理解できなのであります。 しかしてんぽいんとちゃん異国の地を見てみたく、予もいづれの年よりか、片雲の風にさそはれて、漂泊の思ひやまず、海浜にさす… 続きを読むread more